腰痛の原因は何だと思いますか？と尋ねると『車の運転が長い』『重たいものをよく持ち上げる』といった答えが返ってきます。もちろんそれが原因になっているのですが、長時間の車の運転も、重たい荷物を持ち上げる時にも腰痛になりやすい方にはある共通点が存在します。それは、『腰が不安定な姿勢をとっている』ということです。腰が不安定な姿勢とはどんな姿勢なのか。今日は腰痛を引き起こす姿勢のお話しです。
不安定な腰猫背
車の運転をしているとき、腰はどのような状態になっているでしょうか？シートの特性上、おそらく骨盤は後ろに傾き（骨盤後傾）腰の骨（腰椎）はCの字のように後ろに丸くなっているのではないでしょうか？私はこれを腰猫背都呼んでいます。背中ではなく腰が猫背のように丸くなっている状態です。腰の骨、特に骨盤の上から伸びる腰椎は、腰を反らせることで関節の間が締まりしっかりと安定します。ところが骨盤が後傾し、腰の骨が猫背のように丸くなってしまうと関節と関節の間にゆるみが生じます。関節が締まらずゆるみが生じた状態では腰は安定しません。安定性を保とうとして腰椎周囲の筋肉や靭帯といった軟部組織が必要以上に負担を強いられることになります。
これは、床に置いてある荷物などを持ち上げる時も同じです。膝を曲げて腰をかがめた状態で荷物を持ち上げることで、腰椎が前湾して関節が締まり安定性が増します。安定した状態で荷物を持ち上げることで腰への負担を最小限に抑えることができます。例えば、パワーリフティングの選手を思い出してみてください。彼らは重たいバーベルを持ち上げる時にしっかりと腰を反らせて腰椎を前湾させます。これは腰を反らせることで関節を締めて腰を安定させるためです。
呼吸が浅いと腰痛になる！？
少し話は飛びますが、呼吸が浅くなると腰痛が起こりやすくなります。それはなぜか？呼吸が浅くなることで、呼吸筋がうまく働かなくなり硬くなります。呼吸器の機能低下が背骨をかたくします。呼吸器が弱ると背筋を伸ばして姿勢が保てなくなるためです。前屈が酷くなり肩が前に出て前屈姿勢、いわゆる猫背姿勢になります。猫背になることで横から見たときの背骨のS字ラインが崩れてC字ラインになります。背骨はS字ラインを描くことで体重や衝撃を吸収するサスペンションのような役目を果たしています。ところがこのラインが崩れると、サスペンションの機能が低下し、腰はダイレクトに衝撃を受けることになります。崩れた重心のバランスを取るため骨盤は後傾し、不安定性が増した腰椎とその周辺の筋肉へに大きな負担をかけることになるのです。
腰猫背がもたらす腰へのリスクは単に筋肉疲労だけではありません。次回は腰猫背による腰への負担について、さらに見ていきたいと思います。
因みに・・・
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それでは今日はこの辺で♪
