夜なかなか寝付けず十分な睡眠が得られない。それが習慣化してしまうと不眠症になってしまいます。一般的に不眠症という言葉はよく耳にすると思いますが、その逆で、十分な睡眠時間をとっているにもかかわらず、日中どうしようもない眠気にさいなまれる。そんな症状をさして、過眠症と言います。知られているようで、あまりなじみのない過眠症についてお話ししたいと思います。

過眠症ってどんな状態？

　一般的に夜中にしっかりと質の良い睡眠がとれていれば、日中は眠気に襲われることなく活動ができます。夜十分な睡眠時間をとっているにもかかわらず、「日中にどうしようもなく睡魔に襲われる」なんてことはないでしょうか。十分な睡眠をとっているにもかかわらず、日中眠気にさいなまれる症状のことを、不眠症とは逆に過眠症と言います。過眠症の原因は、脳の覚醒の仕組みにエラーが生じて起こるとされています。視床下部の覚醒センターである視床下部外側野の働きにより脳幹から覚醒物質が分泌されることによって、大脳皮質の働きが活発になり、覚醒が促されます。この仕組みがうまく働かなくなると、いつまでたっても脳が覚醒できずに、日中に眠気を感じることになります。日中の眠気で集中力や注意力にかけてしまい、仕事がうまくこなせないことが一番の問題要因となる過眠症ですが、過眠症は4つの症状に分けられます。

過眠症の4つの症状

過眠症には次の4つの症状があります。

ナルコプナシー：

日中に急に耐え難い眠気に襲われ、眠るのに不適切な場所であっても眠ってしまう睡眠発作。情動脱力発作と言う、突然全身の力が抜けてしまう症状、寝入りに幻覚が見えてしまう入眠時幻覚、金縛りの4つの症状が特徴的で、日本人では約600人に1人の割合でみられます。

うつ病に伴う過眠症：

うつ症状に悩まされる患者は、日中の眠気や日中に眠ってしまうといった、過眠症にみられる症状を訴えることがあります。

睡眠時無呼吸症候群（ASA）：

睡眠中に軌道が閉塞して呼吸が止まり、無呼吸の状態になります。睡眠中に無呼吸状態に繰り返し襲われることで、深く眠れず睡眠の質が低下してしまいます。その結果、日中の活動時間に睡魔に襲われ、眠気を訴えます。

特発性過眠症：

過眠症場があるにもかかわらず、紹介した3つの症状に当てはまらない場合、特発性過眠症と診断されます。様々な要因が絡み合い、原因の特定ができません。

　夜眠れない不眠症、日中眠気に襲われる過眠症。いずれにしてもしっかりと質の良い睡眠がとれない大変な症状です。過眠症は案外本人の自覚がないことも多いそうです。『よく日中眠気に襲われる』心当たりがあるようなら一度病院で検査を受けて原因を特定する必要があるかもしれません。

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それでは今日はこの辺で。